賃貸物件でできる防音対策は?床・壁・天井それぞれのポイントを解説

賃貸物件でできる防音対策は?床・壁・天井それぞれのポイントを解説

賃貸物件に住んでいると、どこからか室内に入り込んでくる音が気になることがあります。
このような場合には、賃貸物件でできる防音対策をチェックするのがおすすめです。
そこで今回は、賃貸物件でできる防音対策として、床・壁・天井それぞれのポイントを解説します。

賃貸物件でできる床の防音対策

賃貸物件でできる床の防音対策

賃貸物件では、床の防音対策が大切です。
なぜ床の防音対策が大切なのか、その理由とともに具体的な対策方法を見てみましょう。

賃貸物件で床の防音対策が大切な理由

賃貸物件に住んでいると、下の階に住んでいる方との間で騒音トラブルが発生しやすくなります。
これは、賃貸物件の構造的に、床をとおして音を階下へ伝えやすいことが原因です。
賃貸物件のなかでも2階以上にお住まいの場合であれば、床の防音対策が必要になります。
音を立てないように気をつけて暮らしていたとしても、気がつかないうちに下に住んでいる方が騒音と感じられる音が出ていることがあります。

賃貸物件の床で発生する騒音

賃貸物件の床で発生する騒音には、重量床衝撃音・軽量床衝撃音の2種類があります。
重量床衝撃音とは、ドスンドスンといった重低音で、子どもが走り回る足音などが主な原因です。
一方の軽量床衝撃音とは、コンコンなどの軽い高音で、スプーンやおもちゃを落とした場合に発生する音を指します。

具体的な床の防音対策

床から発生する騒音を軽減させるには、防音・遮音機能にすぐれたマットやカーペットを敷くのがおすすめです。
手軽にできる防音対策アイテムとしては、裏側に吸音素材を貼り合わせた防音カーペットが挙げられます。
こうした防音カーペットには、大型のものだけでなく、小さなパネル状のものを好きな大きさに組み合わせる商品があります。
子どもを遊ばせているスペースだけに防音カーペットを導入したいならば、スペースの大きさに合わせてパネル状の防音カーペットを購入すると良いでしょう。
また、スリッパも床の防音対策アイテムの1つですが、逆効果となる場合もあるので注意しましょう。
たとえば、サイズが大きなスリッパを使用すると、かかとからスリッパが離れてパタパタと音が発生しやすくなります。

賃貸物件でできる壁の防音対策

賃貸物件でできる壁の防音対策

賃貸物件では、床だけでなく壁の防音対策が大切です。
壁からの騒音にはどのようなものがあるのか、壁からの騒音を防ぐにはどのような対策が有効なのかを見てみましょう。

賃貸物件で壁の防音対策が大切な理由

賃貸物件で床の防音対策が大切になるのは、自分が原因で階下へ迷惑をかけてしまうことを防ぐためです。
一方で、賃貸物件の壁の防音対策が大切な理由は、自分が原因の騒音だけでなく、隣の部屋からの騒音を防ぐ必要があるからです。
賃貸物件は、構造的に壁が薄いことが多く、壁をとおして隣り合う部屋の音が聞こえやすくなります。
それにより、ささいな音でも毎日聞こえるようになると、ストレスが溜まり健康的な生活が送れなくなるかもしれません。
そうならないためには、隣の部屋の住人に迷惑をかけないためだけでなく、自分と家族の快適な生活を守るためには、壁の防音対策が大切です。

賃貸物件の壁から発生する騒音

賃貸物件の壁をとおして隣の部屋から伝わってくる騒音は、主に空気音です。
空気音とは、空気に乗って伝わる音のことで、人の声や音楽などが該当します。
賃貸物件で発生しやすい空気音には、家族との笑い声・電話の話し声・テレビの音などがあります。
また、外から聞こえるサイレンや車のエンジン音も、壁や窓から入ってくる空気音です。
このほかに、冷蔵庫の作動音やエアコンの室外機が稼働する音が、空気音の1つです。

具体的な壁の防音対策

賃貸物件で壁の防音対策をする場合、吸音・遮音・防振が可能な複数のアイテムを組み合わせるのがおすすめです。
吸音とは、反響しやすい音を吸収し、騒音を防ぐことを指します。
吸音には専用のシートを使うのがおすすめで、市販の吸音シートで壁を傷つけることなく騒音対策が可能です。
吸音シートは、厚めのフェルトやシール状のもので、さまざまなデザインから選べます。
吸音シートの使用で十分な効果が得られない場合には、より効果の高い吸音ボードを設置すると良いでしょう。
また、吸音ボードとともに、遮音効果・防振効果のある防音シートやゴムなどを活用するのもおすすめです。
1つのアイテムだけでは、隣からのさまざまな音を防げないことがありますが、防音・遮音・防振それぞれに効果のあるアイテムを組み合わせれば、より高い効果が期待できます。
壁に防音対策をおこなう場合には、防ぎたい騒音に適した厚みのアイテムを選ぶことがポイントです。
厚みのある吸音ボードは防音対策として有効ですが、部屋のスペースを圧迫しやすいことが注意点です。

賃貸物件でできる天井の防音対策

賃貸物件でできる天井の防音対策

賃貸物件の防音対策で見落としがちなのが、天井の防音対策です。
手の届かない場所ではあるものの、防音対策を後回しにせず、できることを考えてみましょう。

賃貸物件で天井の防音対策が大切な理由

賃貸物件で天井の防音対策が大切になるのは、上階から聞こえる音が騒音に感じられやすいためです。
アパートなどの集合住宅では、天井越しに伝わる音が気になることがあります。
生活に支障が出るほど騒音が大きい場合であれば、上階に住む方に改善を求めます。
しかし、こうしたやり取りがうまくいかないと、騒音が改善されないだけでなく、上階に住む方との関係が悪くなるかもしれません。
下の階に住む方ができるだけストレスを溜めずに生活するには、できる範囲で天井の防音対策を考えることがポイントです。

賃貸物件の天井から発生する騒音

賃貸物件の天井からよく聞こえる騒音には、子どもの走り回る音やものを落とした音などが挙げられます。
また、椅子を引く音・スリッパで歩き回る音なども、天井から聞こえやすい騒音です。
さらに、大きな話し声やテレビの音などが、天井をとおして下の部屋にまで聞こえることがあります。

具体的な天井の防音対策

天井の防音対策としておすすめなのが、壁の防音対策と同様に防音・遮音・防振アイテムを設置することです。
上階からの騒音が子どもの足音などであれば、防振効果のあるシートやパネルを設置すると良いでしょう。
上階から聞こえる話し声やテレビの音が気になる場合、おすすめできるのは防音シートや遮音パネルなどです。
子どもの足音や話し声など種類の違う騒音にお悩みならば、吸音材と遮音材などを複数組み合わせて設置するのがおすすめです。

天井に防音アイテムを設置できない場合

天井への防音アイテムの設置には、労力や時間がかかります。
また、防音アイテムの取り付けが不十分だと、シートやパネルが頭のうえや家具のうえに落ちてくるリスクがあります。
さまざまな理由から天井に防音アイテムの設置が困難な場合、室内の家具の配置を変えて防音対策をするのがおすすめです。
天井に直接シートやパネルを設置しなくても、天井付近まで高さがある家具の配置を変えれば、ある程度騒音が軽減されます。
また、ドアの開閉音が大きい・洗濯機の振動が大きく聞こえる・足音が大きいなど、騒音の原因を特定し管理会社や大家さんに相談することも防音対策の1つです。
トラブルを防ぐには、自分で直接上階に住む方に話すのではなく、管理会社や大家さんを間に入れることが大切なポイントとなります。

まとめ

賃貸物件の床から階下へ伝わる騒音を防ぐには、防音カーペットの設置などが有効な防音対策です。
賃貸物件の壁越しに聞こえる騒音であれば、壁に吸音・遮音・防振効果のあるアイテムを組み合わせて設置すると良いでしょう。
天井から聞こえる騒音は、吸音材と遮音材などを天井に設置するほか、家具の配置を変えることが防音対策になります。