賃貸物件の共用部分とは?ドアやベランダの適切な使い方を解説!

賃貸物件の共用部分とは?ドアやベランダの適切な使い方を解説!

マンションやアパートなどの集合住宅の賃貸物件に住む場合、専有部分と共有分の違いを理解しておくことが大切です。
ほかの住民に配慮し、ルールを守って共用部分を使用することは、不要なトラブルを防ぐうえで欠かせません。
そこで今回は、賃貸物件の共用部分とはなにか、ドアやベランダの適切な使い方について解説します。

賃貸物件の共用部分とはなにか

賃貸物件の共用部分とはなにか

共用部分とは、集合住宅において、住民が共同で使用する部分のことを指します。
各住戸の室内などの専用部分と異なり、基本的にはすべての住民が使用する権利を持つ部分です。
ここでは、2種類の共用部分と共用部分の変更について解説します。

法定共用部分

法定共用部分とは、法律によって設置を定められている部分を指します。
具体的な法定共用部分の例は、以下のとおりです。

●配管・配線
●廊下
●階段
●エレベーター
●屋上


法的共用部分は主に、構造上共用が必要になる部分が当てはまります。

規約共用部分

規約共用部分は、法律上の定めはないものの、管理規約によって共用部分と決められている部分を指します。
規約共用部分に定められるケースがあるのは、管理人事務室や集会場、駐車場などです。
これらのスペースは専用部分としての使用も可能ですが、管理規約により、住民が共有するうえでのルールが定められている場合があります。

共用部分の変更

上記2種類の共用部分のうち、規約共用部分については変更が生じる可能性があります。
共用部分の変更については、区分所有者の決議が必要です。
決議には、普通決議と特別決議の2種類があります。
普通決議では、比較的軽微な変更について話し合い、区分所有者および議決権の過半数の決議があれば採択が可能です。
特別決議では重大な変更が扱われ、4分の3以上の決議がある場合に採択されます。
また、共用部分はルールに則ればすべての住民が使用できますが、専有部分の床面積に応じた持ち分が定められています。
専有部分は各住戸の所有者が自己負担で修繕をおこないますが、共用部分については区分所有者の負担でおこなう点も注意が必要です。
共有部分の所有権や使用ルールの変更などは、区分所有者である家主に大きく関わる部分です。
しかし、専有部分と共有部分の違いを意識しておくことは、賃貸物件の借主にとっても役立ちます。
共有部分の日常的な使用方法に注意すれば、ほかの住民とのトラブルを避けられるでしょう。

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賃貸物件の共用部分であるドアの使い方

賃貸物件の共用部分であるドアの使い方

賃貸物件において、専有部分と共有部分を混同しやすい部分のひとつが、玄関にあるドアです。
ドアは外側が共有区分で、内側が専有部分となっています。
ここでは、ドアの外側と内側の扱いの違いについて解説します。

賃貸物件のドアの外側の扱いについて

賃貸物件のドアの外側は共用部分のため、物件を所有する家主であっても自由な変更はできません。
たとえば、玄関ドアの外側を塗装して色を変えたり、ドアそのものを交換したりすることは不可能です。
また、ドアの鍵の外側部分は共用部分となるため、セキュリティ向上を目的に鍵は変えられません。
ドアのデザインや鍵の性能が気に入らなくても、集合住宅全体で決めた規格のものを使用する必要があります。
また、インターフォンについても集合住宅の共用部分となるため、勝手に交換してはいけません。
老朽化によりドアノブや鍵が壊れた場合や、集合住宅全体で同様の問題が生じている場合、修繕は管理組合の管轄となります。
一方、日常的な使用により壊してしまった場合は、所有者に原状回復の責任が発生します。
賃貸物件の場合は、借主と家主の間で取り決めた契約により、修繕をおこなう必要があるでしょう。
玄関のドアは、専有部分である物件の入り口にあるため、個人のスペースと誤解されやすい部分です。
しかし、家主であっても、共有部分のリフォームは自由にできないことを覚えておく必要があるでしょう。
専有部分は家主との交渉によりリフォームできる可能性がありますが、共有部分は家主の管轄外なため、よりハードルが高くなります。

賃貸物件のドアの内側の扱いについて

集合住宅のドアの内側は、物件の所有者の専有部分にあたります。
そのため、ドアの内側のみの塗装やシート貼りは、家主が同意すれば可能です。
賃貸物件の借主も、玄関の内側を自由に飾りつけられます。
ただし、借主の場合、家主に対する原状回復義務が発生するため、元の状態に戻せる範囲での飾りつけが好ましいです。

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賃貸物件の共用部分であるベランダの使い方

賃貸物件の共用部分であるベランダの使い方

集合住宅におけるベランダは「専用使用権」のある共有部分です。
専用使用権とは、通常時使用するのは、その物件に住む住民だけであることを意味します。
しかし、ベランダはあくまでも共用部分であり、専有部分とは異なる制限が課せられている点に注意が必要です。
ここでは、賃貸物件のベランダを使用するうえでの注意点を4つ解説します。

大きな荷物を置くこと

集合住宅のベランダは、万一災害などが発生した場合の避難経路となります。
そのため、避難の妨げになるような大きな荷物を置くことは、管理規約で禁じられているのが一般的です。
ベランダにある隣の住戸との仕切りは、災害時に手で破って脱出できる素材が使用されています。
そのため、仕切り付近に避難の妨げとなる荷物を置いてはいけません。
また、ベランダ内に避難はしごが設置されている場合もあるため、上に物を置くなどしないように注意しましょう。

喫煙

ベランダは専有使用権のある部分であり、住人がそのスペースでどのように過ごすかはある程度の自由があります。
ベランダでの喫煙は、管理規約で禁止されている場合とそうでない場合があり、判断が分かれるところではあります。
しかし、近年では受動喫煙に関する訴訟により、慰謝料が認められた判例もあるのは事実です。
近隣住民との良好な関係を築くためには、管理規約に明記されていない点でも、マナーとして配慮する必要があります。
タバコの煙は隣戸の室内に入ったり、洗濯物ににおいが付いたりしやすいため、ベランダでの喫煙は控えたほうが良いでしょう。

花火

ベランダでの花火は、安全の面から管理規約で禁止されているケースが多いです。
また、花火は火災のリスクだけでなく、音や煙によって近隣住民に迷惑をかける可能性もあります。
賃貸物件の管理規約に明記されていない場合でも、トラブルを避けるためには、ベランダで花火をしないほうが良いでしょう。

布団の干し方

布団の干し方は、集合住宅の住民同士の間でトラブルになりやすい点のひとつです。
円滑に生活していくためのマナーとして、布団の干し方に注意を払うことは大切です。
干した布団が階下のベランダに垂れ下がり、日当たりを妨げていないかを注意しましょう。
布団を叩いて出るホコリや、叩く音の騒音などがトラブルになる場合もあります。
日頃から隣宅に配慮し、注意を受けた場合はすぐに改善すれば、大きなトラブルに発展することを防げるでしょう。

プール

小さなお子さんがいる家庭では、夏にベランダにプールを出して遊ばせる機会があるかもしれません。
ベランダにプールを出すことは管理規約で禁止されていなくても、マナーには気を配る必要があります。
プールの水はねによって階下の洗濯物が濡れたり、プールの排水時に隣宅のベランダに大量の水が流れ込んだりなどの状況が考えられます。
また、プール遊びを楽しんでいる子どもの声が、騒音となってしまう可能性もあるでしょう。
プール遊びをするかどうかは、ベランダの状態や近隣への配慮も考えながら決定することをおすすめします。

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まとめ

賃貸物件の共用部分とは、建物の構造部分や廊下、エレベーターなどのすべての住民が使用する部分を指します。
ドアの内側は専有部分ですが、外側は共用部分のため、ドア本体や鍵の交換などは勝手にできない点に注意が必要です。
ベランダも共有部分であり、災害時には避難経路となるため、避難を妨げるような大きな荷物を置かないよう注意しましょう。

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