賃貸物件の設備が破損したら入居者負担になる?責任の所在と注意点を解説

賃貸物件の設備が破損したら入居者負担になる?責任の所在と注意点を解説

賃貸物件にはさまざまな設備が備わっていますが、日常生活のなかで故障や破損が起こることもあります。
設備が破損した場合、入居者が修理費用を負担するケースもあり、不安に思う方もいるでしょう。
今回は賃貸物件に備え付けられている主な初期設備の種類や、設備が破損した際の対応方法、注意点について解説します。

賃貸物件の初期設備とは

賃貸物件の初期設備とは

賃貸物件には、入居時点で最初から設置されている設備があり、これを「初期設備」と呼びます。
通常、賃貸借契約書や重要事項説明書にはどの設備が設置されているかが記載されているため、入居前に確認しておくことが大切です。

初期設備の種類

賃貸物件に備わっている初期設備は、物件の種類やグレードによって異なりますが、一般的には生活に必要な設備が一通り揃っています。
キッチンにはガスコンロやIHコンロ、シンク、蛇口、収納、レンジフードなどが設置され、日々の調理や片付けがスムーズにおこなえるようになっています。
バス・トイレ周りには浴槽やシャワー、洗面台、トイレ本体、給湯設備が備わり、ガスや電気さえ通っていればすぐに入浴や洗面が可能です。
空調設備としてはエアコンや換気扇、照明や電気関連では天井照明、コンセント、スイッチ、インターホンなどが標準で備わっています。
また、近年では浴室乾燥機や食洗機、床暖房、ウォークインクローゼットなどのオプション設備が備わっているケースも増えてきました。

初期設備は大家さんの所有物

賃貸物件の初期設備は、入居者が自由に交換や修繕を行うことはできません。
建物が大家さんの所有物であるのと同様に、設備も大家さんの所有物にあたるためです。
大家さんには、所有物を適切に管理し、入居者が安心して生活できるようにする責任があります。
そのため、初期設備が通常の使用で破損・故障した場合は、修理や交換にかかる費用を大家さんが負担するのが原則です。
ただし、賃貸借契約書に「軽微な修繕は入居者負担とする」といった特約がある場合は、その内容が優先されます。
契約内容によって修繕範囲が異なることもあるため、入居前に特約の有無を確認しておくことが大切です。
また、経年劣化や通常の使用による損耗・破損は、入居者に非がない限り、大家さんの責任で修繕されます。
一方で、電球や水回りのパッキンなどのような消耗品は使用頻度が高く、交換費用を入居者が負担するのが一般的です。

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賃貸物件の設備が破損したときの対応

賃貸物件の設備が破損したときの対応

賃貸物件の設備が破損した場合は、速やかに大家さんや管理会社に連絡することが大切です。
先述したように、経年劣化や日常使用による損耗の範囲内であれば、修繕や交換にかかる費用は大家さん負担となるのが一般的です。
しかし、入居者が連絡せずに自分で修繕や交換をおこなった場合、その費用は原則として入居者が負担することになります。
また、破損の原因によっては、大家さんに依頼しても費用負担が入居者にかかる場合があるため、状況に応じた対応が必要です。

故意による破損は入居者の責任

賃貸物件の設備が入居者の故意によって破損した場合、修繕費用は入居者が負担します。
たとえば、怒りやイライラで扉や壁を蹴ったり殴ったりして破損させた場合などです。
また故意でなくても、不注意によってふすまを破った場合などは、入居者の過失と見なされます。
破損が発生した際には大家さんや管理会社に連絡する必要がありますが、修繕や交換にかかる費用は入居者負担となる点を理解しておきましょう。

災害による破損は入居者の責任にならない

地震や台風、大雨による水害など、予測できない災害で設備が損傷することもあるでしょう。
賃貸物件の設備が自然災害によって破損した場合、入居者が責任を負う必要はありません。
災害による破損は、入居者の故意や過失が関与しないためです。
もし自然災害で設備が破損した場合は、速やかに大家さんや管理会社に連絡しましょう。
その際は、どの設備が影響を受けたかをなるべく詳細に伝えることが大切です。
破損の状況や程度、被害の範囲を詳しく伝えることで、修繕の優先度や必要な手続きがスムーズに進みます。

長期間不具合を放置すると入居者の責任になる

設備の不具合が自然に発生した場合でも、その不具合に気付いた時点で速やかに大家さんや管理会社に連絡しましょう。
不具合を放置したまま長期間使用を続け、結果的に設備を破損させてしまった場合には、入居者の責任が問われる可能性があります。
また、入居者が日常的におこなうべき簡単なメンテナンスを怠ったことで設備が破損した場合も、入居者の過失と見なされ費用負担を求められることがあります。
そのため、日常的に設備の状態を確認し、異常や不具合を発見した場合はすぐに大家さんや管理会社に連絡することが大切です。
定期的な点検や清掃を習慣化することで、設備の長寿命化だけでなく、トラブルや費用負担を未然に防ぐことにもつながります。

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賃貸物件の設備が破損した場合の注意点

賃貸物件の設備が破損した場合の注意点

賃貸物件の設備が破損した際には、以下の点に注意が必要です。

残置物に関する注意点

賃貸物件の設備が破損した場合、まずその設備が残置物でないか確認することが重要です。
残置物とは、前の入居者が設置したまま撤去されずに残っている設備のことで、代表的なものにはガスコンロやエアコン、シーリングライトなどが挙げられます。
残置物の注意点は、最初から設置されていたとしても、大家さんに修繕責任が生じないことです。
残置物は大家さんの所有物ではなく、使用するかどうかは次の入居者の判断に委ねられます。
そのため、通常使用による損耗で破損した場合、修繕や交換にかかる費用は入居者が負担しなければなりません。
大家さん所有の初期設備と同様に、残置物についても契約書や重要事項説明書に記載されている場合があります。
トラブルを避けるためにも、契約時には物件内に残置物が存在しないかを書類で確認することが大切です。
また、退去時に設備を残置物として残す場合は、必ず大家さんの許可を得る必要があります。
許可なく残置物を放置すると後から処分費用を請求される可能性があるため、事前に必ず許可を取り、書面に残しておきましょう。

原状回復義務の注意点

賃貸物件を退去するときには、原状回復義務にも注意が必要です。
原状回復義務とは、入居したときの状態にできるだけ戻す責任のことです。
通常の生活でできた汚れや傷は経年劣化と見なされ、基本的に入居者が修理やクリーニングの費用を負担する必要はありません。
しかし、普段の生活では起こらないような大きな汚れや傷、たとえばドアを強くぶつけて穴が開いた場合などは入居者の責任になり、修理費用を支払わなければならないことがあります。
原状回復にかかる費用は入居時に預けた敷金から差し引かれるのが一般的ですが、費用が高額になると敷金だけでは足りず、追加で支払いが必要になることもあります。
そのため、日ごろから設備を丁寧に使い、掃除や簡単なメンテナンスをこまめにおこなうことが大切です。
また入居時からあった傷や汚れは写真で記録しておくと、退去時に「これは最初からあった」と証明でき、不要な費用を防ぐことができます。

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まとめ

賃貸物件には、入居時から設置されている初期設備があります。
これらは大家さんの所有物であり、通常使用による故障や経年劣化の修理費用は大家さん負担となるのが原則です。
しかし、入居者の故意や不注意による破損、また日常のメンテナンスを怠ったことによる損傷の修繕費用は入居者負担となります。
トラブルを避けるためにも、普段から設備を丁寧に扱い、入居時の傷や汚れは写真で記録しておくことをおすすめします。

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